はじめに

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大は、われわれの生活や社会システム全般に大きな影響を及ぼすこととなった。

 

 特に地域構造の面では、経済合理性追求のもとで加速していた集中指向を大きく減速させることになった。長らく継続していた東京一極集中の傾向が変曲点を迎え、新たな生活様式に対応したバランスが形成されつつある。

 

 こうした中で、人々の暮らしの場、経済活動の場となる中心市街地(まちの中心) のあり方や、まちづくりのあり方も新たな視点に立って進める必要があるだろう。新型コロナウイルス感染症の渦中における変化を読み解き、アフターコロナを展望したまちづくりのあり方を探る必要があるだろう。

 

 こうした問題意識のもと、東京都中小企業診断士協会まちづくり研究会では、今般のまちづくりに係る取組をレビューする中で、アフターコロナも展望したこれからのまちづくりについて、会員相互の意見交換を重ねてきた。

 

 本稿では、コロナ禍のもとで変化を余儀なくされたまちづくりの現状と今後のトレンドを確認するとともに、会員相互の議論を踏まえたアフターコロナを展望したまちづくりのあり方「中心市街地活性化2.0」を提起することにしたい。