2.集計結果

回答団体の組織タイプは株式会社が8割。設立時期は、新しい中心市街地活性化法が策定された2006年以降が5割、それ以前が5割を占める。

資本金は1,000~3,000万円、3,000~5,000万円、5,000万円以上がそれぞれ2割超、総資産は1億円未満の団体が約半数。

常駐従業者数は、1~4人が約4割と多く、小規模な団体が多い。中心市街地活性化協議会との関係は、事務局が約2割、参加団体を含めると6割弱。

取組んでいる事業は、イベントが約6割、公共施設等の管理運営・店舗運営等が約5割。中心市街地活性化の企画調整や地域の情報発信・広告等に取り組む団体も約5割。

コロナ禍で抱えている問題は、イベント等の集客事業を実施できないことが7割。利用者を増やせないこと、売上減少が3割超。関係者の十分な協議の場を持てないことも2割弱。

コロナ禍のもとでの工夫としては、感染対策を意識してネットを有効に活用する取組や、事業を小規模化・分散化する取組例があげられた。

■ ネットを有効に活用する取組例

  • LINEを使って情報の発信と商店・飲食店の支援(割引クーポンの発行)
  • オンラインを活用した「まちゼミ」の実施
  • 隣接する商店街が直面している課題の解決に向けて意見交換会を実施している。特にコロナ禍で経営不振に陥っている飲食店のテイクアウト等の取り組みをSNSで情報発信し近隣への周知に力を入れている。
  • SNSを活用した情報発信。オンライン会議によるまちづくり事業の構築・実施(新しいコンセンサス形成)
  • 特産品販売ポータルサイトの運営
  • 地元の商店街を知っていただくために「商店街周遊ツアー」を実施している。しかし、密をさけるために当会スタッフのみで、各店を訪問し動画を制作。地元CATVの協力で放送している。放送終了後にはYouTubeにアップし、当会及び地元商店街の情報発信を始めた。

 

■ 事業を小規模化・分散化する取組例

  • マルシェの時間短縮及びテイクアウトのみの開催
  • コロナ禍により従来のような大規模なイベント事業が展開できないことから、小規模で社会実験的取り組みを細やかに実施している。またシェアスペースおよびコワーキングスペースを運営し、多様な主体と関わる機会を生み出している。
  • 中心市街地の回遊性を高めるための取組として、エリア内各商店街の店舗(イベントへの参加店舗に限定)を回遊するイベントを企画した。イベント期間を約1ヶ月とすることで、来街者が短期間に集中するリスクを回避し、またWEBを活用することで来街者と従業員の直接接触のリスクを軽減させた。
  • ペデストリアンデッキについて、都市再生特別措置法に基づく「道路占用許可の特例」制度を適用しておりますが、コロナ禍においても小規模な物販やプロモーションに限り、申請内容を鑑みて継続して運用を図っております。

また、コロナ禍を乗り越えるための事業者支援だけでなく、アフターコロナを見据えたビジョンづくり、体制固め、資金集め等の取組があげられた。

■ コロナ禍を乗り越えるための事業者支援の取組例

  • 当商店街および関連イベント等から、感染者発生のリスクを考えて、各種イベントを中止。まずは対策の徹底を行った。商店街構成の大半が小売店であるので、顧客管理の充実を図りながら、体質強化を図っていく。
  • イベント開催時に新型コロナ感染対策の徹底(三密回避、手指消毒、連絡先の把握) /イベントの規模縮小、やり方改善(県外参加の制限、開催期間延長し、密を避ける)  /イベントの開催に代えて街や商店街の魅力情報の発信に注力 /公募型小規模イベントの機会拡充 /Web会議
  • 商業施設のテナントに対して、家賃の減免等の支援や、国、地方自治体からの補助金申請に対するアドバイスを行っている。

 

■ アフターコロナを見据えたビジョンづくり、体制固め、資金集め等の取組例

  • 行政の支援を受けてコロナ明けを想定した事業の企画を行っている。事業実施に向けて現在計画策定中である。
  • コロナ禍で影響を受けた飲食店等のための販売機会の創出イベントの実施。事業者がアフターコロナを見据えた事業展開を行うための役に立つセミナーの実施
  • 隣接する大型店と協力、協調したまちづくり(ニューコンセプト作り)に取り組んでいる。
  • 飲食店で将来使えるチケットを御礼に寄付を募った。900万円ほど集まった。

 

■ 地域活性化等、その他の取組例

  • 「朝顔まつり」や「カブトムシプレゼントデー」の実施など、密を避けて人々の心の癒になる催しや子供達が元気になる活動を続けている。
  • 特に工夫していることはありませんが、空き店舗対策事業において、出店希望者への正確なまちの情報提供と、一年以内に出席した事業者への丁寧なフォローアップに取り組んでいます。

提言書「アフターコロナのまちづくり-中心市街地活性化2.0-」の内容は、参考になったという回答が48%。アフターコロナを考えるきっかけになったとのコメントもあった。

提言書を参考にして注力してみたい事業としては、観光まちづくりの推進にむけた機能強化が約4割を占めた。起業支援、サテライトオフィス整備、集客力強化等がそれに次ぐ。

事業推進に向けた課題は、「スタッフの拡充」「新しい事業手法に関する情報入手」が約4割。計画の見直し、まちづくり会社の財務基盤も約3割が課題と認識。